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2005年9月14日 (水)

医療行為の倫理性を審査する

今日は 東邦大学医療センター大森病院の 「倫理委員会」に出席してきました。私、その外部委員の一人なのです。

この委員に選ばれたのは、僕が 東邦大学医学部で 「宗教学」の非常勤講師をやっているからです。この授業では、「生命倫理と宗教」というテーマに3分の1をあてています。宗教学者としては、伝統医療や医療人類学をやることもできるのですが、まぁ 得意なところで、社会や政治の視覚から「医療と宗教」の問題を考える、ということです。

この授業については、またいつか書くことにします。今日は 倫理委員会について。

19件の審査申請が出ていました。数百ページの申請書と添付資料が10日ほど前に送られてきます。それら全部に あらかじめ書類に目を通すだけで、大変な労力が要ります。

委員会は2時間。19件を全て審査するなんて とてもできませんから、今日は9件だけが審議されました。

内容は、承認済み/未承認の薬の実験的投与、アンケート調査 などについてのものがほとんどです。

  • 申請されている研究/実験そのものが倫理的な問題を生じていないか

これは もちろん最大のチェックポイントですが、それだけではありません。

  • 患者さんへの説明は適切か
  • プライヴァシーの保護措置はなされているか
  • 副作用や不利益に対する説明や対処はできているか
  • 書類上に研究者の倫理性の欠如があらわれていないか

こういった点も、ひとつひとつ 審議されていきます。

僕は 宗教学者、インド研究者ですから、その立場から それなりの発言をするよう求められているのかもしれませんが、なかなか そうもいきません。

人工肛門をつけた人のQOL調査について、現代の宗教理論やアーユルベーダの知識が なにを発言できるというのか、、、僕には どうも分からないからです。

そこで、二つの役割を自分に課しています。

  1. 自分を 「医療素人 = 患者」  の立場において、そこから発言すること
  2. ちゃんと資料を読んで、積極的に議論に参加する まじめな委員

第一の立場は、自分のかつての大病を思い出すことで そのようにふるまわれます (実際、僕の症例は、すくなくとも三つの学会で発表されたのでした)。 こうした患者の立場からの発想では、 同じく委員であられる看護士の方々と 意見がよく一致します。

この委員会、本当によい経験になっています。こういうことが 若いうちにできているというのは、幸せなことだと思います。

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» “擬似”倫理委員会 [我らこそ国の礎]
擬似倫理委員会 以前、「我らこそ国の礎」で納得診療という言葉が使われたことがあります(http://blogs.yahoo.co.jp/eishi_asano_md_phd/9334295.html?p=1&t=2)。一方、倫理委員会という言葉が使われたことはありません。倫理委員会とは、研究者が提案する医学研究が倫理的に実施可能かどうかを審査する会のことを言います。倫理委員会で承認された研究は、患者さんが納得なさった上で施行可能です。納得診療と倫理委員会は、ともに、患者さんの権利を守るため..... [続きを読む]

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