過大評価
またまた カサノヴァの本から 印象的な箇所を引用します。 ([ ] は引用者補注です) 最近、ちょっとカサノヴァづいております。
その1
・・・ 根本主義者の潜在的な力に関する過度の誤解が、共感する者にも反対する者にも、さらには社会科学の多くの分析家にも、広く共有されている ・・・ (邦訳 205頁)
その2
よく組織された声の大きい少数派は、その予期以上の動員力によって、すべての人の不意をついた。その構成員はもっとも多めに見積もっても、人口の二〇%には決して達しなかったが、多くの人の心には、信じられないほど驚異的な多数派(マジョリティ)となって映ったのである。 (邦訳 206頁)
その3
彼ら[根本主義者]が思いもかけず公的領域に帰ってきたとき、居合わせた者たちは初めはびっくりし、やがてその内の幾人かは、根本主義者の公共マナーは「無作法」だと考え、彼らを外に追い出すべきだと思った。しかし根本主義者たちは公共広場に店舗を構えており、彼らの多くはそのままとどまる計画だった。何人かは、政府の建物やパーティー[政党]本部のきわめて近くに、店を出していた。 (邦訳 210頁)
ここに書かれていることは、 僕が この論文 に書いたのと、同じ見解だなぁ、と思いました。 原理主義勢力、宗教ナショナリスト勢力の台頭についての 一般的な 過大評価 という問題です。
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