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2005年11月25日 (金)

人の心のパワー

前便 「資源動員というパースペクティヴ」 より つづく

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前便 で 資源動員論についてカサノヴァが述べていることに触れた。 その続報である。

資源動員論の限界を指摘したあと、カサノヴァが議論をすすめるのは、社会運動(とくに成功した運動)のオーガナイザーたちの「 動機 」についてである。

「動機」というのはつまり、「 やる気 」である。 人の心のパワー である。 特定の運動が成功する場合、そのリーダーとなるべきオーガナイザーが どれだけ「 やる気 」をもって、どれだけ「 本気 」で 運動の拡大を志しているか が大事だ という見方である。 カサノヴァの言葉では 「 決意そのもの 」、「 精神と心の変化 」と書いてある(邦訳 189、190頁)。 表現はともあれ、オーガナイザーの「 やる気 」の量と質は、資源動員論では説明できないというわけだ。

実際にカサノヴァが取り組むのは、モラル・マジョリティのジェリー・ファウエル の精神史を簡単にたどってみせることだ。

分離主義的で、自足的、 その意味で「狂信的」だったファウエルらの「根本主義」のセクトが、1970年代半ばに 政治、教育、法律などの公的事象に積極的に参与しようとする立場へと 「回心」したのだという。 そして、その内的転換こそが、「プロテスタント根本主義」の公的台頭の契機となった、と カサノヴァはどうやら言いたいらしい。

資源動員論について 明確な立場が示されているおかげで、 上記のような「回心」論は  なかなか説得的 なしあがりになっている。

【メモ】

後便 「信仰と宗教的動機」 ご覧くださいませ

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