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2006年6月23日 (金)

そうしたところのやるせなさ (2)

前便 からの完全連続投稿です ( もともと一つの文章を二つに切りました )

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榊原氏のような考え方、行き方に 親近感をおぼえる人は多かろう。 ( 本ブログの読者はそうでもないだろうが、なんと言っても 多かろう!!)

一方、小川忠さんのスタンスは これとはかなり違う。

日本から帰ってきた多くのインド人の友人が、日本で受けた小さな親切や高潔なプロ意識、責任感の強さについて語る。 そうした数字で表せない財産を日本社会はまだまだ蓄積している ( 214頁 ) 。

日本社会について語った文章だが、ここで言う 「 数字で表せない財産 」 なるもの、これへの感性の高さこそが、小川さんの本の要になっている。

ちなみに、榊原氏の本は、小川さんの別の論文 ( IT関連のもの ) を引用しているが、小川さんの 「 優しさ 」 、あるいは 「 人間くささ 」 には言及していない。

どちらが良い悪いではなかろう正解、不正解ではなかろう

ごく図式的に言ってしまえば、要は バランスの問題だ。

たとえば、 高橋英彦 『 インド発、国連職員の日々 』 ( 日本放送出版協会,1995年 ) は次のように書いている。

国や地域の経済規模の拡大が問題解決の万能薬ではないにしても根幹を癒す特効薬であることは疑う余地がない。わが国のような先進工業国の政府援助とともに企業の投資や技術移転がこの分野で多大の貢献をしてきたことも間違いない。

 その一方、それだけでは真の解決にはならない問題が山積しているのも事実である。平和と社会治安の維持、人口問題への対応、人権の尊重、教育レベルの向上、健康への配慮などについて官民による国際協力が求められているのだ。 ( 14頁 )

実際、優等生的な正解があるとしたら こんなものになるだろう。

<経済開発 → 社会開発 → 人間開発 → 開発倫理> という 例の国連的軌跡を想起のこと

そして問題は、そうした諸要素のからみ合いのなかで、 「 わたし 」 はどこに立って、なにをするか、である。 ここにこそ、この種の問題 ( 終極的には 開発倫理 の問題 ) の根底がある。

私 近藤はどうだろう・・・・・・

上記バランスのイメージを保ちつつ、小川さんの 「 ヒトくささ 」 に深ぁぁい共感をおぼえる ――

今の僕のスタンスは 到底!!そうした域を出るものではない。

あまり ミットモヨイものではないが、正直 そんなものである。長々としたエントリを書いたが、結論はそんなものである。

それでも、この問題には ずっと真剣に悩んできたし、これからも悩んでいきたい、と思うのだ。

<おわり>

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<メモ>

  • 「 開発倫理 」 で日本語頁をググってみたが、驚くほどヒットしない。専門的な頁は皆無!!こんなにも認知されていないコトバだったとは・・・
  • 一方、 「 development ethics 」 をフレーズでググってみたら、7万件オーバーのヒット。この違いは大きい!!

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コメント

MKOさん、こんにちは。

こちらにもお邪魔します。

ところで、開発倫理の件、私も援助業界の内部の人間ですが、なぜ日本ではまだそれほど話題になっていないのか不思議でなりません。

最近みた、教科書レベルの本では、斉藤文彦氏の『国際開発論 ミレニアム開発目標による貧困削減』 日本評論社 (2005)で、かろうじて全12章のうち、1章(第10章)を割いています。

開発民俗学を提唱する私としてたぶん、この開発民俗学の先にあるものは、開発倫理学だと感じています。ただ、今の時点では「倫理」と「技法」を分けて、まず援助関係者の現状認識の甘さを何とかしよう(技法的に)と考えており、「倫理」にどの段階で踏み込めるのかわかりませんが、「技法論」、「現状認識論」「実践(の積み重ね)」の後にやっと「倫理」がくるのではと思っています。

ただ、斉藤氏もいっているように、日本ではまだ新しい分野なので、もっと実証的な言説が積み重ねられないと、きわめて底の浅い薄っぺらなもの(単なるきれいごと)になってしまう恐れがあります。

これは、私も気をつけていきたいと思っています。

長文になってしまいましたが^^?

ごれからもよろしくお願いします。

ではでは^^?

しばやんさん>
どうもです。こちらにまでやってきていただいて、とても嬉しいです。こんなことを書いていたのだなぁ、としばやんさんのコメントきっかけで、私も再読したところです。

しばやんさんは書きました:
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「技法論」、「現状認識論」「実践(の積み重ね)」の後にやっと「倫理」がくるのではと思っています
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   ↓
これはなるほど!!と思わず、うなってしまいました。所詮は、実践家ではない私なので、こうした視点が出づらいのです。
「倫理」を念頭におきつつ、こういった地道な作業が積み上げられていくこと、、、とても大きな可能性を感じました。

日本の現状も少しずつではありますが、変わりつつあるし、実際 「開発」の現場を知っている方々のなかで(完全なる少数派ではありますが)、こういった関心をもっていらっしゃる方がいるのを、私は知っています。
もちろん、しばやんさんも そのお一人。

少しずつでも、こうした動きを応援していきたいし、僕はその支援者として がんばりたいと思っています。

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