70年代 日本のロック
井上貴子さん より 次の本を頂戴しました
- 『証言! 日本のロック70’s』 (アルテスパブリッシング, 2009年)
本書は、 07年7月から10月まで毎月1回、 新橋のライヴバーZZで行なわれた 「70年代日本のロックを語ろう」 と題するトークショーの記録である。
井上貴子 「はじめに」 3頁
いざ開催してみると会場は満員、 ゲスト・ミュージシャンの皆さんもとても雄弁で、 毎回3時間以上にわたって盛り上がり、 お客さんからの評判もよかった。 ぜひ続けてほしいとの要望も強く、 当初11月の第5回で終了する予定だったが12月以降も継続るすることを決め、 08年3月から6月までさらに4回のトークショーを開催した。 本書にはそのうち第1回から第4回までを収めている。
同 4頁
確かに、 いまやヒップホップなどに主流の座を奪われ、 ロックはすっかり 「様式美」と化している。しかし、 実は、 様式美こそ強し。筆者は、 ふだん大学で20歳前後の世代と接しているが、 類は友を呼ぶというか、 周りには、 いつもロック好きの学生たちが集まる。「ブルースについて」とか 「エレキ・ギターの歴史」 といったテーマで卒論を書く学生、 自作のCDを持ち込んできて意見を求めてくる学生、 オススメのCDを貸してくれと頼む学生 ・・・・・・ 彼らと一緒にバンドをやることもある。ある学生いわく、 大学の軽音サークルではヘビメタ・バンドをやる大学生が一番多いのだそうだ。そう、 あの単純さの中に秘められたパワーと歪みは、 今でも人を魅了し、 熱くさせている。
ロックが誕生してから半世紀が過ぎた。その間、 世界はめまぐるしく変化し続け、 人々のライフ・スタイルも価値観も半世紀前とは大いに異なっているだろう。それでもなお、 決して失われることはない魔力がロックにはある、 と信じている。 だから、 20世紀を振り返る世代と21世紀を作っている世代とが、 今こうしてつながれるのではないか。
本書が、 70年代日本のロックの熱気を少しでも伝えてくれれば、 企画者としてこんなにうれしいことはない。
同 5-6頁
中学から高校にかけての、 ”プレ70年代ロック” の頃のことを考えていたら、 別の仕事で対談したローリーの言葉を思い出してしまった。 近所のロック好きのお兄さんにピンク・フロイドを聴かされて、 頭の中を ”サイケデリックなものが駆け巡った” そうだ。
そのざわざわした感触は、 僕にも覚えがある。土屋昌巳が語った 「世の中が大きく変わるような予感」が、 ロックという音楽と共に、 ティーンエイジャーだった僕らを襲ったのだ。
そんなにまで魅せられたロックの本質は何なのか、 なんていうことは考えたこともなかった。 ただ、 夢中で追いかけているうちに、 はっと気づいたらミュージシャンになっていた、 というのが、 正直なところだ。 恐らく、 参加してくれた方々はみなそうだと思う。
ゴールデン・カップスの歌ではないが、 それで良いじゃないか。
ロックとは所詮、 そんなもの。
これを読んでくださった方々が、 ひとりひとりの ”自分のロック” を発見するヒントになってくれれば、 本書の目的は達せられたようなものだ。
難波弘之 「あとがき」 292-3頁
個人的には、 日本のロック in 70s に 強い思い入れはない
ただ、 現代日本のインド観を 大きく支配しているのは、 ヒッピー文化 ・・・
そのあたりから、 ボンヤリとした 興味はもっていた
こちらのエントリ など、 ご参照くださいませ
大変 面白く読みました!
【メモ】
井上さんは、 青弓社のサイトで 連載もしてらっしゃる
なかなかディープで、 いかにも井上さんっぽい! 面白い
ライヴバー ZZ は こちら
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