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2009年6月 3日 (水)

スリランカの現状 090601

2009年6月1日付け 朝日新聞 (朝刊) の社説で

スリランカ問題 がとり上げられた

http://www.asahi.com/paper/editorial20090601.html#Edit1

(リンク切れご容赦。 アサヒですから…)

前便は こちら ↓

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スリランカ ―― 民族の和解へ歩み出せ

 スリランカのラジャパクサ大統領が内戦の勝利を宣言した。 政府軍が反政府武装勢力のタミル・イーラム解放の虎 (LTTE) を北部の海岸部に追いつめ、 軍事制圧を果たしたのだ。

 だが、 素直には喜べない。 多くの住民が戦闘で犠牲になり、 戦闘終結後も人道危機は続いているからだ。 多数派のシンハラ人と人口の2割弱のタミル人との間の和解はたやすいことではなく、 内戦で荒れ果てた国土の復興も長い道のりだろう。

 分離独立を唱えて自爆テロを繰り返したLTTEは終局の直前、 数万人の住民を「盾」にし、 逃げる人々の背に弾丸を浴びせた。

 最悪の事態は避けられたものの、 避難民キャンプにいる30万人近いタミル人の多くが病気に苦しみ、 家族と生き別れになっている。 食糧や医薬品などの人道支援を急がねばならない。

 気になるのは土壇場での戦闘の実態と 「人間の盾」 の真相だ。 国際人権NGOは重火器を使った政府軍の攻撃手法を批判している。

 捕虜になった元兵士の処遇も心配だ。 スリランカ政府は、 赤十字国際委員会にすべての収容施設への立ち入りを認めるべきだ。 戦闘の実態を調べ、 人権状況を点検する中立的な国際調査団を、 政府自身が組織してはどうか。

 インドネシアのアチェ、 ルワンダ、 北アイルランドなど、 かつて内戦をくぐり抜けた国や地域は戦闘終結後、 どこも苦労しながら、 平和構築や和解に取り組んでいる。

 ラジャパクサ大統領も、 民族和解による和平の必要性を唱えている。 だが多くのタミル人はまだ不信と不安を抱いているに違いない。

 タミル人差別は日常生活に厳然として残っている。 欧米に逃れた在外タミル人はLTTEを支援してきた。 和平へのかじ取りを誤れば武装闘争が再燃する恐れは消えていない。

 戦闘で破壊された北部や東部の復興を急ぎ、 避難民を帰還させる。 そのうえで、 タミル人にどの程度権限を委譲するのかなど、 真摯 (しんし) な政治対話を始めねばならないが、 政府が大胆な譲歩をしなければ、 対話は進むまい。

 欧米を中心とした国際社会には、 政府の態度を見極めようという空気が強い。 政府に誠実な行動が見られなければ、 支援の声はしぼみかねない。

 日本は最大の援助国であり、 かつて復興開発会議を共催したノルウェー、 欧州連合、 米国の中で、 スリランカ政府と一番太いパイプを保っている。

 そんな日本には、 スリランカの民族和解を背中から後押しする責任がある。 戦闘地の地雷除去や元兵士の社会復帰など支援できる分野は多い。

 日本政府は、 明石康 ・ 政府代表を近く現地に派遣する方針だ。 平和構築の先導役を務めてもらいたい。

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(1)

まさに この社説で述べられているように、 「重火器を使った政府軍の攻撃手法」 は

しっかりと批判されるべきだ

怨恨を背景に、 一主権国家の正規戦として戦われた内戦であるから

そうした批判はもちろん届くことはないだろう

しかしそれにもかかわらず、 しっかりと批判されねばならない

(2)

また、 LTTE による 「人間の盾」 が本当であったのなら

もちろんこれも一緒に批判されねばならない

少数派のゲリラ組織 (テロ組織?) が追いこまれてできることといえば

それぐらいのことなのかもしれない。  しかしそれにもかかわらず

強く批判されねばならない

(3)

上記社説がまったく正しいのは、 今後の平和構築のため

最も必要になるのが 政府の譲歩である、 という点だ

こちらも 事はそう簡単ではない

狂信的な スリランカ・ナショナリズム (シンハラ仏教ナショナリズム) は

歴代政府による その政治利用のおかげで

スリランカの国民生活にすっかり染みついてしまっている

仮に 善意の首相が選ばれ、 善意の内閣が成立したとしても

そう易々と 融和政策へと舵をとることはできない

選挙民の違和感や不満が そうした 「善意」 を 「弱腰」 「負け」 「譲歩」とみなし

それにより、 政権自体を危うくしかねないからだ

野党勢力は いつもそれをねらっている

(4)

最近日本では、 スリランカ仏教が 密かに人気だ

その際、 本国での 「民族/宗教紛争」 に仏教界がどう関わってきたか――

この点を いつも念頭においておいていただきたい

そう切に願う

仏教界の動員は 日本ができる貢献のうち、 最重要のものとなりうる

せめて、 チベット問題に向かい合うほどの誠意が

日本の仏教界から表されるとよいのだが・・・

(5)

日本政府が スリランカに太いパイプをもつのは事実だ

ただし、 それが内戦緩和に あまり有効には働いたことはない――

これもまた 事実だ

これについては、 外務省も忸怩たるものがあるだろう

あせらず着実に、 積み上げるべきものを積み上げていっていただきたい

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