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2009年6月30日 (火)

インド総選挙 2009 分析5

連載 「インド総選挙 2009」 最近5便

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貧困問題や不正義が いかに極左活動家にとって追い風になるか――

前便 では そのことに触れた

一方、 今回の総選挙では、 左翼政党が歴史的な大敗をこうむった

インドでは経済危機の最中の4~5月に総選挙が行われ、 自由化に反対する有力な左派政党が過去40年で最悪の大敗を喫した。

「新・資本主義宣言 モラルある強欲こそ」 NEWSWEEK (日本語版) 2009.6.24, 18頁

今回の総選挙で もっとも注目すべきは、 この現象かもしれない

ところで、、、

天下の NEWSWEEK であるが、 この記事は まったく表層的である

インドの選挙分析でよくあるミスリーディングな解説だ

(「間違い」 とか 「ウソ」 ではないのだが、 まったくミスリーディング)

インドには 主要な共産党が二つある

  • インド共産党 (Communist Party of India: CPI
  • インド共産党 (マルクス主義) (Communist Party of India (Marxist): CPM

CPI と CPM の今回の結果 と 前回の結果 (議席数と得票率) は

CPI      4議席 (1.43%)  ←  10議席 (1.41%)

CPM   16議席 (5.33%)   ←  43議席 (5.66%)

CPI は 議席を6つ (もとの60%) 減らし

CPM は 議席を27 (もとの63%弱) 減らした

議席数ではまったく激減であるが、 得票率は まったくそうではない

それぞれが減らしたのは、 0.02 ポイント、 0.33 ポイント にすぎない

つまり 選挙民の直接の支持に ほとんど変わりなどないのだ!

ではなぜ 議席数が激減したのか? 理由は単純である

選挙戦術で負けたのだ、 二つの共産党は!

友党づくり、 選挙協力関係構築は 単純小選挙区制において必須なのに

それができなかった・・・ これでは 決して 議席はとれない

察するに、、、 両党は

グローバル資本主義の浸潤と 極左勢力の台頭のはざまに陥って

他党との関係を うまく構築できなくなっているのだろう

穏当な議会内政党としての共産党――

南アジアの戦後社会主義運動が生み出した この独特のモデルが

今 ひとつの限界に行き当たっている

この行き詰まりは おそらく 今回の選挙で 最も重要だ!!

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前回 (04年)、 前々回 (99年) インド総選挙の分析 ↓

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02A 南アジア研究」カテゴリの記事

コメント

  昨日の新疆ウイグル自治区での暴動の記事は、わたしが今この世の中で起こっていることをいかに知らないかを、思い知らされた記事でした。

 新疆ウイグル自治区はユーラシア大陸のほぼ中央に位置し、面積は166万平方キロ(中国の総面積の6分の1)、タクラマカン砂漠をはじめ砂漠が国土の4分の1を占め、天山山脈を境に北疆・南疆に区分されて自然や気候、文化も大きく異なる。
 自治区には47の民族が生活し、一番多数派のウイグル族は漢族よりも人口が多い。ウイグル族はほとんどがムスリム。カザフ族はカザフスタン、ウズベク族はウズベキスタンという独立した国家を持つ。しかし、ウイグル族はもっていない。
 石油、石炭、鉄鋼の資源が豊富。新疆から上海までは石油パイプラインが通っている。
 ウイグル族の中で公務員は無宗教であることが条件。ラマダン、断食、勤務時間内の祈りなどは禁止されているが、実際は豚肉を食さないなど宗教的な習慣は残っており、漢族とは居住区も分かれている。
 政治と宗教が複雑に入り組んだ社会である。

 2005年に奈良女子大の村田仁代先生の授業を受け、たくさんのことを教えていただきました。(今はないみたいです。)この授業は、ウイグル族の女性の服装を通して、民族性と宗教性を知るというものでしたが、ムスリムについての私の考えを180度変えたといっても過言ではありません。
 そのときに、遠い新疆ウイグルについて深く考えさせられ、それ以来割とニュースはチェックしているつもりだったのに・・・。新華社通信は本当に・・・。

 
  美術史の授業がいよいよラストになり、課題でてんてこ舞いです。というのも、やっぱりいつもどおり余計なことが気になって、どんどん広げているうちにギャー…ってことになる。印象派の画家を自分の視点でとらえるってだけの課題に、どうしても第二帝政から第三共和政にかけて、どの時期が画家にとって最良だったのか知りたくなっちゃう。ということで『ルイ・ボナパルトのブリューメル18日』(カール・マルクス)を読む。(なぜ?)
 楽しいんだけど、収集はつくのか、私!

yokosawa さま>

そうですか、いよいよ授業も終わりなんですね。 しっかり勉強なさるので、きっと とても大変じゃないかと存じます

「どんどん広げる」 というのは、勉強や研究をやっているとき、一度ならず何度も通る道ですよね

これを 「グッとしぼりこむ」 のは、意外と大変で、もちろん ホンモノの知性とは その絞り込みをする力のことだ、と―― ほかならぬ自分に いつも言い聞かせています (なぜなら、僕自身が、勉強だけなら、いつまでもやり続けてしまうタチなのです・・・)

あと一息、 どうぞお気張りアレ!

=====

新疆ウィグルについては、いよいよか・・・ という感想です

こうなることは、遅かれ早かれこうなることは、誰もが予想していたと思います

「秩序」回復には、非常に長けた中国政府―― しかし、もちろんこれは、短期的で一過性の措置にすぎません

より抜本的な対処について、中国政府も まったくの無策というわけでもなさそうです。 諸般の事情から、それを前景化させることはできないでしょうが、国家統合を確実にすすめていかないわけにはいかないでしょう

その間に、どれだけの血が流されるか・・・ どれだけの若者が絶望と戦わねばならないか・・・

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