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2009年7月23日 (木)

生まれてこなかったほうがよかった生

こちらのエントリ で ちょこっと触れた

  • 中西新太郎 (編) 『1995年: 未了の問題圏』 (大月書店, 2008年9月)

「対論5 サブカルチャーと批評 杉田俊介 × 中西新太郎」 から

杉田さんの発言

冒頭の 『愛人』 とは 田中ユタカさん の漫画です

『愛人』 の世界は、 障害者や廃棄された生命の側に、 つねに寄り添おうとしています。 主要人物はみな難病者・障害者・遺伝子改造人間なんです。 そして重度障害者どうしが障害のある子どもを産む光景のなかに、 最後の希望を見る。 「生まれてこなかったほうがよかった生」 が深く肯定されることなしに、 自分で自分の生を祝福することはできない。 でもその子どもは、 未知の可能性を切り開くかもしれない。 「呪われたまま/赦されないまま/生きてなさい」。 それに賭ける。 それはナウシカの終わり方ともつながっている。 美少女は最後死んでしまうし、 青年も無残な死に方をするんだけど、 完結した 「二人だけの愛」 ではなく、 無数の子どもたちの傍に寄り添おうとする。 「生まれてきてよかった」 じゃなく 「生まれてきてくれてありがとう」 へとターンするんですね。 そのことでようやく、 自分の生が本当に肯定される

276頁

絶望にはいろいろあるけれど、 今の世の中 よっぽどラッキーでないと

絶望と無縁で 寿命をまっとうできない

それはすなわち、 幸せな日常にいつもベットリ影がはりついていることでもある

手がかりとなるものは 何か・・・?

僕には

  • 「生まれてこなかったほうがよかった生」 が深く肯定されること
  • 「生まれてきてくれてありがとう」へとターン

こうしたことは、 本当に手がかりになると思う

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