怪物の世界
こちらのエントリ で紹介した
- 中原昌也 『映画の頭脳破壊』 (文藝春秋, 2008年3月)
『ラザロ』 三部作を素材にした、 井上紀州監督 との対談より
井上 『華氏451度』 でブラッドベリが予言した世界が、 今実現しているんですよ。 そういう時に怪物が生まれる。 怪物というのは、 巨悪や強大な権力が生むのではなくて、 人びとの日々の欲望が生むんですよ。 だから知性をもって考えないといけない。 確か、 中原さんとは二〇〇一年に対談したと思うのですが、 あの頃から状況はさらに悪化していますよね。
中原 確実に悪くなっていますね。 だから、 自己責任でやれば、 何をやってもいいというような世の中になっている以上、 逆説的にいえば、 どんどん怪物が生まれればいいと思う。 無差別殺人が起きても、 犠牲者本人だけが悲しむという世の中なんだから。
116頁
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【メモ】
『ラザロ』 は 以前からどうしても観たいのに、 全然観れないでいる映画だ
「怪物」 と 「世界」 こそ、 この映画が描くものだと思う
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