アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
有名な本なので 今更の紹介ということになるが
- 町山智浩 『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』 (文藝春秋, Bunshun Paperbacks, 2008年10月)
面白かった
アメリカ論 (「アメリカの愚かさ」論) として読むのは 当然だけど
単なる反米プロパガンダの書でないというのは、 強調しておきたい!
その理由は 二つ
- 町山さんにインスピレーションと批判精神、 視覚と論拠を与えているのが、 ほかならぬ アメリカのリベラル層であること。 アメリカは (ちょうどインドのように) まったく一つではない。 最良の部分と 最悪の部分が まるっきり同居している
- この 「愚かさ」 は 間違いなく 現代日本のものである、 あるいは こう言ってよければ、 実に近代人一般のものであること。 この本を読んで、 自己反省できない人は、 町山さんの意図を 完全に曲解している。 僕らは、 自分たちの日常で 何かをしなければならない、今すぐ! このことに気づかせてくれる本だ (でなければならない)
50ほどのコラムが集められたもの
どれも抜群に面白いのだが、僕が快哉を叫んだのは 次の三本
- ブッシュと記者団に恥をかかせた勇気あるコメディアン
- 魔女狩り連合軍と戦った3人の歌姫
- アニメとオッパイで稼いでプロパガンダ
いずれも 「第五章 ウソだらけのメディア」 に含まれている
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