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2009年7月 1日 (水)

【報告】 宗教に抗する聖者

こちらのエントリ にてご案内しました研究会が 開かれました

外川昌彦先生の 『宗教に抗する聖者』 の書評会でした

その報告、 および次回以降の予定について、 南アジア系ML "SAAF" に

杉本浄さん が投稿してくださったものを再録させていただきます

【メモ】 杉本浄さんのご著書は 末尾に!

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第32回月例懇話会報告、 および次回以降の企画について

今回は、 外川昌彦著 『宗教に抗する聖者: ヒンドゥー教とイスラームをめぐる 「宗教」 概念の再構築』 について、 澁谷俊樹さん (慶応大学大学院) に報告していただきました。

他の行事と重なったためか、 参加者は7名と少なかったものの、 大変充実した話し合いができました。

本書は、 ベンガル地方出身の聖者フォキル・ラロン・シャハと彼の弟子たちの活動を捉えることによって、 「南アジアの複合的な宗教文化の存立構造」 を解明するだけでなく、 近代の 「宗教」 概念を問うという意欲的なものです。

まず、 報告者の澁谷さんが 「序論」、 「第1~3章」、 「第4~6章」、 「第7章」 の順でまとめていき、 その都度議論を挟んでいくやり方をしました。

議論は、 著書の性格を反映して、 かなり多岐にわたりました。 たとえば、 構築主義と本質主義の 「永遠の」 対立は、 本書の主題のひとつでもあり、 かなり多くの議論がおこなわれました。 また、 開発 ・ 民族誌 ・ 宗教学が重なりあう点が常に議論の的となり、 それに関する参加者による多角的な検討がなされました。

結局予定を大幅に超過し、 3時間以上にわたる熱の入った会となりました (参加者7名のうち、 3名が書評を書くことが決まっていたからか?)

今回、 2名の大学院生の方に来ていただけたのは、 主催者としてはとてもうれしく思っております。 今後とも若手の積極的な参加を希望しております。

関係各位におかれましては、 お声かけ等をよろしくお願いいたします。

次回懇話会は、 7月中旬から下旬を予定しております。

目下、 幹事のあいだで話題にのぼっている本は、 次の二冊です。

● 青木健 『アーリア人』 (講談社選書メチエ, 2009年5月)

● S・スブラフマニヤム 『接続された歴史  インドとヨーロッパ』 (三田昌彦 ・ 太田信宏訳, 名古屋大学出版会, 2009年5月)

これらの著作について、 要約と発表をしていただける方を、 随時募集しております。 ご関心ご興味をおもちの方、 どうぞお気軽にご連絡をくださいませ。

また、 別様の企画案などありましたら、 ぜひお聞かせくださいませ。

月例懇話会幹事

近藤光博 ・ 杉本浄

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