祭りの準備
こちらのエントリ で 「非東京」 というコトバを紹介した
ある神話的位相をもつトーキョーという場所観念は
昭和42年生まれの僕にも 多少は共有されているものだが
今の若い世代には もぉ 何のことだかピンとこないかもしれない
ということで、、、
- 「祭りの準備」
を紹介させていただきます。 日本映画です
学生さんへ> 念のため… ATG作品ですから、 当然 《エロ》 ありです!
黒木和雄監督 初期の代表作ということで有名ですが
僕のツボは、 原作・脚本の 中島丈博さん が
『真珠夫人』 や 『牡丹と薔薇』 の脚本家でもあるというところ
だったりします(笑)
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さて、、、 映画 「祭りの準備」 の話です
《青春男子の煩悶と出奔》 を描いた作品ということなら
フェリーニの 「アマルコルド」 「青春群像」 からの補助線が
諸作品の製作年からして 引けましょうが
僕としては 「アイデン&ティティ」 を思い出したりするのです
男の子クサイです、 とにかく!
男子の 《性=青》 春 ―― これは疑いなく、 本作品の主題です
しかし、 宗教学者としては
映画の舞台である あの街そのものの時空 に注目しておきたい
一言でいえば、 それは 《民俗の世界》 です
高度経済成長期 日本の片田舎に浮かびあがる民俗の世界――
アマゾンの読者レビューで vega さんが 「土俗的」 という語を使っているが
これなんかは まさにそうしたことをおっしゃっているのでしょう
学生の皆さんへ> レビューにはいつも ネタバレが含まれます。 映画はやっぱり予備知識なしで観るのをお奨めしますから、 まずはご覧になってほしいです
《民俗/土俗》 は、 僕が紹介したもののなかでは
「楢山節考」 (今村昌平) の世界 にも表されたものなのですが
「祭り」 は、 「楢山」 とは違って、 異界や霊威 をほとんど描きません
そのため、 それは神話的な匂いをほとんどまとっていません
二作品を対比して観てみるのも いいかもしれません
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