フツーは抑圧する
こちらのエントリ で紹介した
- 町山智浩 『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか: 超大国の悪夢と夢』 (太田出版, 2009年1月)
255-6頁に収められているコラム
ママが2人いたっていいじゃないか
レズ夫婦を取材した子ども番組が放送禁止
その最後の部分に こう書いてある
ちょいと長めの引用になりますが、 どうぞお付き合いくださいませ
アメリカの子ども番組はいろいろな家族のあり方を見せることに意識的だ。 たとえばクリスマスでもユダヤ系の家族はハヌカ、 アフリカ系はクワンザを祝う。 主人公の友達には片親の子どもや養子、 身体障害者が必ずいる。 少数派の子どもたちにも心の居場所を残しているのだ。
それに対して日本のアニメ、 いやTVドラマでもいい、 身体障害者や被差別部落出身者、 いや片親の子どもが 「テーマ」 ではなく 「日常」 として当たり前に登場することがあるだろうか?
でも本当の日常では、 友達の家に遊びに行ったら七五三の写真がチョゴリだったりするような経験はあるはずだ。 NHKは 『おかあさんといっしょ』 という番組名を耳にするたびに母のない子どもがどれだけ傷ついているか考えたことはあるだろうか? 「普通」 という無意識の均一主義がいまだ日本には横溢しているのだ
256頁
町山さんの文章は、 やっぱり自分と自分の生活圏に向かうときにこそ!
力を発揮する
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