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2009年10月26日 (月)

不可触民差別とヒンドゥー教からの脱出

2009年10月16日付 朝日新聞 朝刊に

さらばヒンドゥー教
インド 最下層で相次ぐ改宗

という記事が載った。 記者は 武石英史郎さん

ネット上では読めないのですが

nanachan.umekichiさん のブログ 「素直に生きる」 に

記事の一部が 抜粋されています

記事の小見出しを列挙しておきます

差別放置に嫌気

仏教寺院の破壊頻発

予備軍2.5億人 実態見えず

隠れキリシタンの存在指摘も

佐々井上人の活動 に触発されて書かれた記事

と お見受けします

記事では 仏教徒の動きがフィーチャーされていますが

現地で 量的に (あくまでも 量的に!)

より深刻なのは 反クリスチャン暴力です

カースト問題の核は 不可触民 (ダリト, アンタッチャブル) 差別です

日本での いわゆる 「同和」 の ひどい版です

ここに ヒンドゥー教への反対が生じます

ヒンドゥー教がカースト制度とあまりに深く結びついているからです

カースト問題に対し、 良識ある人たちは 命がけで

一生懸命 取り組んできましたし、 今も取り組んでいます

インド人がこれをほったらかし、 などとは思ってはいけません

しかし、 何しろ うまくいかない

この社会制度は、 歴史の奥底からグネグネとわき上がってきて

近代史のなかで 特定の形に固定化されたものですから

もう 本当に! 解消困難な問題なのです

そのひずみが、 昨今の社会経済的大変動から生ずる不安と不満

とあいまって、 暴力事件として 頻発するようになってきました

ここ数年、 インドでとくに目立つようになった傾向です

仏教やキリスト教への改宗は そうした荒れた状況のなかで

あらためてクローズアップされる選択肢のひとつになってきています

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コメント

TBありがとうございます。新聞記事を下手ですが掲載しましたのでよろしければお読みください。宗教を否定していましたが、世界を知るために宗教学を素人ながら学んでいます。ヒンドゥー教はまだ始めたばかりなのですが、これをご縁に学ばせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

nanachan.umekichi さん>

丁寧なコメント 痛み入ります。こちらこそ、TBありがとうございます

インドでは 改宗は、ここ百年以上 ずっと大きな問題でありつづけていました。佐々井上人のおかげで、日本でもやっと知られるようになりました

根底にあるのは、間違いなくカースト問題ですが、それに 昨今のいわゆる「経済成長」があります。精確には、「成長」なるものから取り残された人たち、がんばりつづけなきゃオチコボレルという強迫観念に急きたてられた人たち、こういう心の病が あらためて宗教問題を暴力化させています

宗教の問題だけではない、カーストの問題だけではない、というところがミソなんです

色々書きましたが、宗教学やインドのことに関心をお持ちの方と、こうしてお近づきになれたのは、本当にうれしいことです

今後とも どうぞよろしくお願いいたします m(_ _)m

なお、ちなみに、この記事は、前に書き上げていて、急きょ 公開したものです。といいますのも、まさにこのテーマで、ラジオで話すことになったからなのです

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