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2009年12月18日 (金)

インターネット時代の宗教 (1/2)

インドでも最近 インターネット上での宗教活動が活発だ

日本でそれに注目しているのは 三尾稔先生

とくに北西インドでのフィールドワークから

その実情を報告なさっている

インドで情報化が進み、 ヒンドゥー教もそれに対応している

なるほど新奇である

変化量も 決して小さいものではなさそうだ

なるほど その通りだ

で、 その現象は何を意味するのだろうか?

それが時代への対応であることは 言うまでもない

問題は、 それが表層的な変化なのか、 それとも

深いところでの揺れ動きの反映だったり

深いところを揺り動かす変化だったりするのか、 ということだろう

文化や宗教が ネットで どうなっているのか?

====================

僕としては この問いを 三尾先生はじめ

ネット環境に注目して 文化研究/宗教研究をなさっている方々に

ちょくちょくうかがっていきたい、 と思っています

そのための準備と言ってはなんですが

宗教社会学者による日本の事例研究をおさらいです

====================

  • 宗教社会学の会 (編) 『新世紀の宗教: 「聖なるもの」 の現代的諸相』 (創元社, 2002年11月)
  • 深水顕真 「第4章 インターネット時代の宗教」 (100-39頁)

深水先生は 「はじめに」 で 日本の事情を念頭に

今だからこそ、 インターネットと宗教の関係性について、 何が起ころうとしているのか、 冷静に分析を行なう必要があるのではないだろうか

101頁

と述べる。 さらに、 日米の先行研究を整理したうえで

インターネットというメディアも、 社会的なコンテクストの中で、 宗教を改変させる一要因とはなるが、 それのみが絶対的な力を持つものではない。 これまでの研究のように、 インターネットのメディア的特性のみをとり上げて、 それから宗教の近未来の姿を議論するのはバランスを失しているのではないだろうか。

<中略>

宗教には、 教祖、 信者、 教団、 教義、 さらにはそれらをとり囲む社会といった無数の要素が偏在し、 一つの文脈を形成している。 インターネットという新たなメディアも、 このコンテクストの一要素でしかない。 インターネットと宗教に関して今我々がなすべきことは、 単にメディアの新奇性のみを指摘し、 「インターネットから見た宗教」 を論ずることではない。 インターネットと宗教が結びつき活動する社会的なコンテクスト、 つまり 「宗教の中のインターネット」 を読み取ってゆくことが必要である。

103頁

で、 深水さんは 「コミュニケーション形態からの宗教モデル」

という節をあらたに立てて、 その冒頭 こう述べる

インターネットは、 宗教を含む社会的なコンテクストにおいて、 そのコミュニケーション (相互作用) に影響を与える。 つまり、 宗教の中のインターネットを議論するためには、 まず宗教をもう一度コミュニケーション (相互作用) の仕組みから捉えなおす必要がある。 それを土台として、 現代社会のコンテクストでのインターネットと宗教の関係について総合的に論じていきたい。

103-4頁

深水さんの実際の論考は

「宗教の相互作用モデル」 を立てたうえで (104-6頁)

インターネット利用者である日本人 I さん (60歳代 女性)

浄土真宗本願寺派の信徒でもある I さん が

「インターネットの宗教的要素に対して何を求めているのか」

具体的にみていく (107-29頁)

ここに 「メディア/社会インターフェイス」 論を接続し (129-35頁)

結論にいたる

<つづく>

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