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2009年12月23日 (水)

近代社会の核心

この連載では いろいろ論じてきた

残された課題は まだ多いのだけど

やっと見通しがたってきたように思う

いつか論文にできたらいいのだけど

とにかく勉強 勉強が先決だ、と思う

ということで…

このテーマで 最も参考になる4冊

というのが 僕のなかにはあるのだが

その中の一冊より、 書き抜きです

====================

  • 竹田青嗣 『人間の未来: ヘーゲル哲学と現代資本主義』 (ちくま新書, 筑摩書房, 2009年2月)

「近代国家の本質」 という節 (129-58頁) より

ちょっと長くなりますが お付き合いくださいませ

以下引用

 だが、 哲学の方法は、 あくまで、 多様な現象をできるだけ簡明なキーワードに置き換えて、 その核心をとらえようとする点にある。 そこで、 あえてひとことで 「近代社会」 の根本構想を表現するなら、 わたしとしてはそれを 「純粋ルールゲーム」 という概念で呼びたいと思う。

 つまり、「近代 (市民) 社会」 の核心的理念は何かと問えば、 社会から 「暴力原理」 を完全に排除し、 これを純粋な ルールゲーム に変える試みだった、 と答えるのがその本質をもっともよく表現する。 これを理解するために、 ふつうわれわれが集まって何かフェアなゲームを行なうとき、 そこにどのような原則をもち込んでいるかを考えてみよう。

 ① フェアなルールゲームの第一の前提は、 そこから 「暴力」 を完全に排除しておくことにある。 ゲームは、 取り決められたルールによってのみ行なわれるが、 これは、 暴力の排除が成立してはじめて可能となる。 ルールゲームに暴力 (実力) が入り込むやいなや、 そのれはフェアなゲームではなくなり、 普遍闘争状態になる。 ルールゲームにおける暴力の排除は、 これを制御する上位の 「実力」 の存在によってのみ確保される (ルールを確保するための正当性を認められた暴力を 「実力」 と呼んで、 闘争としての 「暴力」 と区別しよう)。

 ② 暴力の排除が成立してはじめてルールゲームの可能性の条件が整うが、 一定のルール (ペナルティルールを含む) にしたがって勝負・競争の成否を競うという全員の事前の 「合意」 が、 何らかのルールゲームを開始するための次の条件となる。 この はじめの合意 は、 ゲームそれ自体の 「正当性」 の根拠である (ルソーは、 この “事前の合意” の必然性を 「原始契約」 あるいは 「はじめの全会一致」 と呼んだ)。 暴力の排除と事前の合意が不備なまま一定のゲームが成立する場合もあるが、 ここではゲームの正当性に欠損があるので、 これを不完全なルールゲームと呼ぶことにしよう。

 ③ 人間は、 実際には体力、 出自、 容貌、 宗教、 人種、 言語、 等々に大きな “差異” がある。 しかしゲームにおいては、 それらの差異はすべて 捨象 され、 互いにただ対等な権利をもった一プレーヤーとして認めあう。 つまり、 「純粋ルールゲーム」 では、 すべてのプレーヤーはルールのもとに対等で、 特権や差別は認められない。 このことは、 ゲームの正当性の第二の本質的要件をなす。

 ④ ルールの決定や変更の権限は、 参加者全員が対等にもち、 そこにどんな特権も存在しない。

 ⑤ ルールに違反したものには、 つねに同じ原則でペナルティが科せられる。 担保された 「実力」 が、 このペナルティの執行を保障する。 ペナルティの執行のないところではルールの実効性は存在しない。

 ⑥ ルールの適用の判断、 さらにはペナルティの執行を含むゲームの運営・裁定について、 必要に応じて審判者の役割を果たすものがおかれる。 彼らは競争の利害について第三者の立場にたち、 プレーヤー全員のゲーム運営の意志 (一般意志) のフェアな調停者・執行者となる (したがって、 近代国家においてはこれが 「統治権限者」 の理念上の本質である)。

 わたしは、 このような仕方で規定された近代社会の理念的 「原理」 を、 「普遍ルール社会」 という概念で呼びたいと思う。

131-33頁。 傍点は太字で示した 。引用おわり

<つづく>

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