詩はどこへ行ったのか (1/2)
前便 「宗教と文学」 よりつづく
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2009年11月25日付 朝日新聞 朝刊 「オピニオン」面
谷川俊太郎さん のインタビューが ほぼ全面をかざった
題して
詩はどこへ行ったのか
とても長い記事なので、 全文引用はここではしません
見つけて ぜひ読んでいただきたいなぁ、 と思います
僕がザックリ検索してみた限り、 次のブログ記事が
一番長く 谷川さんの言葉を引用しているようでした
http://blog.goo.ne.jp/bozzo173/e/ca4f7162c74944806f4e782b54e9db63
こちらのブログ記事では 記者ご自身の 「写真」 人生と
谷川さんの世界観=詩論を重ね合わせておいでです
前便から 《小説(物語) + 詩 ⇒ 文学》 という図式で
話をすすめてきたわけですが、 これは当然
《文学 + 写真 ⇒ 芸術(?)》 という図式に拡大されえます
ただし、谷川さん自身 これらの区別をあまり重視していません
「詩情」 はどこにでもある、 という見方です (下記参照)
この点については、 別便を書きたいなぁ、 と思います
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さて、 谷川さんの言葉を ちょいと紹介いたします
僕が気になったところだけ、 部分引用です (ルビは全て省略)
といっても、 かなり長くなります
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聞き手は 「鈴木繁」 さん とあります
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<以下引用>
―― 最近、 社会の中で詩の影がずいぶん薄くなった気がするんです。
「詩が希薄になって瀰漫している感じはありますね。 詩は、 コミックスの中だったり、 テレビドラマ、 コスプレだったり、 そういう、 詩と呼ぶべきかどうか分からないもののなかに、 非常に薄い状態で広がっていて、 読者は、 そういうものに触れることで詩的な欲求を満足させている」
―― コスプレも詩ですか。
「『詩』 には、 二つの意味がある。 詩作品そのものと、 ポエジー、 詩情を指す場合です。 詩情は詩作品の中にあるだけではなく、 言語化できるかどうかもあやしく、 定義しにくい。 でも、 詩情はどんな人の中にも生まれたり、 消えたりしている。 ある時には絵画に姿を変え、 音楽となり、 舞踏として現れたりします」
―― ことばじゃないものにも詩情があるということでしょうか。
「ぼくが生まれて初めて詩情を感じたのは、 小学校4年生か5年生くらいのころに隣家のニセアカシアの木に朝日がさしているのを見た時です。 生活の中で感じる喜怒哀楽とはまったく違う心の状態になった。 美しいと思ったのでしょうが、 美しいということばだけで言えるものではなかった。 自分と宇宙との関係のようなものを感じたんでしょうね」
<引用おわり>
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村上春樹さん の言葉との対比で、 僕がなぜ
谷川さんの言葉に注目したのか、 上の引用だけで 十分
おわかりいただけるかと思います。 ただ
まだまだ印象的な言葉が このインタビューには含まれますので
もうちょっと 引用紹介させていただきたいのです
が、 もうすっかり長いエントリになってしまいました
次便につづく・・・ にてあしからず m(_ _)m
<つづく>
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