古代末期禁欲論とエヴァグリオス
2年前 急逝した 鈴木さんの本が出た
- 鈴木順 『古代末期禁欲論とエヴァグリオス』 (リトン, 2009年12月)
本記事執筆時点で アマゾンではまだ取扱がない
しかし、 紀伊國屋では 買える 5250円
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4863760094.html
コダイマッキキンヨクロントエヴァグリオス
古代末期禁欲論とエヴァグリオス
鈴木 順【著】
リトン (2009/12/15 出版)406p / 21cm / A5判
ISBN: 9784863760097
NDC分類: 192
価格: ¥5,250 (税込)
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鈴木さん追悼文集に 拙い詩を寄せたということで
私にも お母さまより 献本をいただいた
鈴木知さま>
大変ご無沙汰いたしております。 この度は、 順さんの著作の刊行、 まことにおめでとうございます。 そして、 わざわざご献本を賜りまして、 恐縮至極です。 またご挨拶にうかがわせていただきますので、 その節にはどうぞよろしくお願いいたします
指導教官の 大貫隆先生 が編集を担当なさり
出村みや子先生 や 鶴岡賀雄先生 が
(そして その他お名前のあがっていない方がたが)
惜しみない協力をなさり 完成した本だ
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大貫先生による 「まえがき」 から
内容の紹介にあたる個所を引用させていただきます
◇
「2007年秋の段階で構想していた博士論文の目次 (案)」 を
掲げたうえで (7-9頁)、 大貫先生は、 鈴木さんのアイディアを
柱となる 「大きく三つの論点」 に 推測整理なさっている (9頁)
- ソフィア、 グノーシス、 ノエーシスをめぐるキリスト教徒ギリシア哲学の関係
- 禁欲論と情念論
- 教会政治の中でのエヴァグリオスの立ち位置
大貫先生のコメント (同頁)
これは私自身にとっても少なからず未知の領域であり、 鈴木君がどのような結論にたどり着くべきなのか、 自信をもって示すことは、 正直なところ、 私の手には余ることであった。 鈴木君自身の脳裏にどのようなテーゼが去来していたのかも、 残念ながら序論と終章が未執筆であるために、 知ることができない。 しかし、 私としては、 必ずや同士同学の研究者の方々が本書に示された鈴木君の論点と着想を引き継いで、 それぞれの今後の研究の中で発展させてくださることを信じて疑わない
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僕には この分野を精確に評価することは なおできない
ただ、 鈴木さんからは 論文が書きあがるたびに
いつも抜き刷りをいただいていた
そして、 それを必ず読むようにしていた
鈴木さん自身 ご自分の研究について
まだまだ不満足な部分がたくさんあるだろう
僕の知るかぎり、 彼は 死の直前になって
やっと 書きたいことが書けるようになりつつあった
という感じだった
筆致もずいぶん軽やかになり 読みやすくなっていた
残念ながら 完成型とはいかないけれど、 何はともあれ
こうしてご自分の論考が公刊されることを
きっと鈴木さんは喜んでいる 僕はそう確信する
誇りをもって取り組んだ 彼の作品である!
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
私もこの本が上梓されたことを伺ってとても嬉しいです!!
ご紹介、ありがとうございました!
投稿: Grace | 2010年1月 5日 (火) 19時06分
Grace さん>
おぉ早速訪れていただきましたか
ありがとうございます (=゚ω゚)ノ o(_ _)oペコッ
ご助言にしたがって mixiの日記と連動させてみたわけです
鈴木さんの本は きっといいものなんだと思います。僕には精確な評価はできないのが残念ですが
あらためてご冥福をお祈りいたします
投稿: コンドウ | 2010年1月 5日 (火) 19時49分