近代社会とは何か
前便 「近代社会の核心」 より つづく
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- 竹田青嗣 『人間の未来: ヘーゲル哲学と現代資本主義』 (ちくま新書, 筑摩書房, 2009年2月)
近代社会とは何か。 政治学的には、 これはきわめて多様なアイディアや理念の束として描けるし、 またさまざまな分類が可能だろう。 しかし、 哲学的には、 その理念上の本質を、 人類がはじめて構想した 「純粋ルールゲーム」 としての社会として定義することができる。 ちなみにつけ加えれば、 その根本原理は 「自由の相互承認」 の概念で示され、 政治的には 「人民主権原理」 あるいは 「一般意志原理」 の概念で表現される。
135頁。 傍点は太字で示した
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近代とは何か、 近代性とは何か――
竹田先生の論考は その一つの答えだ
しかも それは ある典型的な答えだ
つまり、 《伝統》 に対する 《近代》 という意味で!
だから 竹田先生の議論のなかで
宗教論は ほとんどまったく積極的に語られない
竹田先生にとって、 それは 「残滓」 であるからだ
国家と資本主義について 《語りなおす》 という使命に比すれば
宗教なんてものは 語るに値しない、 とでも言わんばかりに
《宗教=世俗的近代のアーキテクチャ》 なんてことを
くり返し語ってきた僕としては
【参照】
竹田先生の議論から あらためて宗教論を構成しなおす
そういう作業もやっておかなくてはならないだろう
<つづく>
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