近代国家と資本主義システム
前便 「【中まとめ】 近代とは何か、 近代性とは何か」 より つづく
=====================
- 竹田青嗣 『人間の未来: ヘーゲル哲学と現代資本主義』 (ちくま新書, 筑摩書房, 2009年2月)
では 「近代国家」 の本質は何だろうか。 近代国家は、 共同的防衛の権力と、 人民の自由の解放の要求とが両立する条件をもったときに成立した。 もっと正確に言えば、 近代国家は、 市民的自由の解放が、 持続的生産の拡大をもたらす経済システムと結びつくことが自覚されたとき、 はじめて可能となった。
162-3頁
「持続的生産の拡大をもたらす経済システム」 ――
竹田先生によれば これこそが資本制である
近代社会の経済システムは、 「自由市場経済」 からはじまる。 自由市場経済が近代国家によって制度的に保証されることで資本主義システムへと転化してゆくが、 その特質は、 ひとことで、 “絶えず社会の生産力を増大させてゆく経済システム” という点に尽きる。 なぜこのような経済システムが可能になったのかは、 経済学の理論ではいわば自明化されており、 さほど明瞭には説明されない。 哲学的には、 近代の自由市場システムの基本構造は、 「普遍分業」 「普遍交換」 そして 「普遍消費」 という概念をおくことできわめて明らかになる。
95-6頁
この理解については 別の説明をば
引用紹介すべきでしょうね
ちょっと長くなるでしょうから、 次便にて
====================
とりあえずのまとめ――
近代とは何か―― 市民的自由と資本制との結びつきを国家権力が自覚的に追求するようになった時代である
近代性とは何か―― 市民的自由と資本制との結びつきを国家権力により定められる諸条件である
« スリランカ大統領 再選 | トップページ | EMOTION POTION @ THE BAWDIES »
「04D 連載 近代とは何か、近代性とは何か」カテゴリの記事
- 個人主義の理論 -ギデンス、トゥレーヌ、ベック(2016.03.14)
- 歴史的闘争、制度化、具体性(2016.03.11)
- 20世紀における「反近代」の変容(2016.02.24)
- 島薗進 『ポストモダンの新宗教』 (2001)(2016.02.17)
- 世間とは何か(2015.05.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント