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2010年1月25日 (月)

負担免除と自由― 「社会をハッキング」とまで言うなら (1/2)

前便 「感動を生みだすもの、 あるいはヴァナキュラーなもの/不均質なもの/入れ替え不能なもの/計算不能なもの/コミットに値するもの (2/2)」 より つづく

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  • 神成淳司 + 宮台真司 『計算不可能性を設計する: ITアーキテクトの未来への挑戦』 (ウェイツ, 2007年4月)

以前のエントリ 「社会をいわば 「ハッキング」」 にて

濱野智史さん が ドエライことを言うわりには

言いっぱなしで終わってしまっているので残念

と 書きました

その辺、 宮台真司先生 の肝っ玉は座っていて

理論武装も十分で、 自分の立場に確信的だ

「社会をハッキングする夢想」 を語るなら

これぐらいの狂気を (褒め言葉です、 念のため)

理論的な命題にまで高めることが求められましょう

私ですか・・・ 私はまったく そのようには

夢語りも断言も とても出来るような次第ではありません

これからソッチ系に傾くのか傾かないのか

それすらも 見えていないというのがホントのところです

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ということで

神成、 宮台両氏のやり取りを またも長々と引用させていただきます

神成 ● 人それぞれいろいろな価値観がありますし、 それを信じるのも従うのも自由だとは思います。 ただ、 このような素地が強くなると、 感動が薄れてくる。 感動が薄れたら、 いまの工学離れ、 情報離れの傾向がさらに強まるのかもしれません。

宮台 ● 賛成です。 すべてを万人の手に取り戻した結果、 手間暇かけてもルーティーンな毎日が続くだけ ―― そんなことになりがちです。 やはりゲーレンの 『人間―その本性と世界における人間の地位』 における負担免除の思想だ大切です。 手に取り戻すのではなく、 むしろ多くを預けることでこそ人は自由になります。

 確かにパワーホルダーが 「由らしむべし、 知らしむべからず」 になっては社会的不公正が蔓延します。 しかしそれは政治領域の話。 政治領域の情報公開法と経済領域のオープンソースとを同列には扱えません。 マイクロソフトやグーグルなどの経済プレイヤーによるアーキテクチャのデザインは、 透明化を目指してませんよね。

神成 ● 透明化ではないですね。

宮台 ● ビジネスモデルで競争的に資本を集める経済プレイヤーだからこそ、 大規模な資本投下でエキサイティングで濃密なアーキテクチャを提供できる面があります。 アーキテクチャを透明化したら資本は集まりません。

神成 ● 濃密なアーキテクチャのほうが純粋に楽しいですよね。 グーグルアースなんて、 採算を考えたら気が遠くなりますよ。 グーグルは無料で提供していますが、 オープンソースコミュニティが同じことを実現するのであれば、 「地図は公共の財産だから、 無料で寄贈してくれ」 ということになって、 実現は難しい。

254-6頁

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もうすっかり長いエントリになりました

実は 引用はまだまだ続きます

なので、 次便につづきます

<つづく>

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