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2010年5月の記事

2010年5月16日 (日)

まったく違うお客さんを引っ張ってくるようなこと

Yoshihiro_takayamaプロレスラー 高山善廣さん のインタビュー記事より――

「下の世代」 っていうのが 宗教学者たる僕自身の世代だ

と思って これを読んだ

これはとっておきたい、 と コンビニ立ち読みをやめて

買い求めたうえで、 ここに再録させていただきます

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――下の世代が突き抜けるには、 どうしても世代闘争だけでは難しいPhotoです。 いまだったらこれという手段はなにかありますか?

高山 ないよね、 オレの時代のPRIDEみたいなのはないし、 一応、 格闘技のイベントはあるけど、 あのときみたいに盛り上がってないし。 だからオレにとってのPRIDEみたいなものを彼らが探すしかないよね。 それはべつにヨソに出てどうこうじゃなくて、 プロレスラーにこういうヤツがいるんだって世間が知るような存在になれば、 突き抜けられるかもしれない。

――みんなプロレスのなかだけの頂点を目指しているわけでもないと思いますが。

高山 いや、 それは違うと思う。 プロレスのチャンピオンしか考えていない人が多いと思う。 プロレスファンに対してしか自分を見せてないと思う。 プロレスファンじゃない人に、 「こっち見ろよ」 ってのはやってるとは思えない。 それにみんな気づいてないから、 オレみたいなのがひとり勝ちするんだけどね。 リングの勝敗じゃなくて知名度とか、 そういう部分でね。

――浅香光代の相手もしますし。

高山 ハハハッ。 きょうも朝、 ワイドショーでやって、 ここ来るまでに 「浅香さんと闘った人だ」 ってオジサンに言われたもんね。

――そういうことを、 どうしてみんなやろうとしないんですかね。

高山 自分のなかにルールを決めちゃってるんじゃないのかな。 まぁそういうの得意なアゴの長いオジサンがねぇ。[猪木のことだろう: 引用者注]

――いますね。

高山 あの人がそういうことしたから、 オレもそういう頭があったと思うんだよね。 それが格闘技じゃなくてもいんんだと思うんだよ、 異業種でも。 それこそ週プロの表紙見たら、 KENTA NOAH所属のプロレレスラー: 引用者注] なんか普通にドラマなんか出ちゃってもいいくらいの感じじゃない。 使う側がどう思うか知らないけど、 もしチャンスがあったらアイツも月曜9時のドラマに出ちゃうくらいのことして、 まったく違うお客さんを引っ張ってくるようなことを、 できたら突き抜けるよね、 さらに。 いまはプロレス界では絶大な支持を得てるKENTAだけど、 そういうことをもしできたら、 世間を巻き込めるよね。

――世間を巻き込まない限り、 業界はどんどんしぼんでいくだけですから。

高山 だって、 こないだのK-1 MAX、魔裟斗クンが出なくなった瞬間に、 もうJCBホールじゃん。 ねえ? 魔裟斗クンがいるからこそのK-1 MAXだったってのが、 露骨に出てるよね。

――NOAHの選手もみんなそれぞれいい個性がありながら、 なかなかうまくかみ合わない感じです。

高山 自分に適した自分の売り方ってものを見つければ、 もっと飛躍できると思う。 でも、 オレも狙ってやったもんじゃないけどね。 いまの自分を7、 8年前に設計図作って、 こうすればいまの自分になるなんて思ってやってるわけじゃないけど、 いろんなことを挑戦したのはたしかだよね。

――王者になってからも動いていましたから。

高山 チャンピオンになってアグラかいてたらダメなんだよね。 お山の大将になっちゃう。

――杉浦選手 [同じくNOAH所属のプロレスラー、 杉浦貴選手 現GHC王者: 引用者注] はどうですか?

高山 それに気づくか気づかないかだよね。 どっちだろ、 まだわかんない。 まぁアイツの場合は10年目にしてやっと取れたNOAHのトップだから、 まずは嬉しいだろうし。 嬉しいって思ってるだけじゃダメって、 気づくかどうか。

『週刊プロレス』 No. 1525 (2010.5.26), 82-83頁

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アグラかいてたらダメ――

お山の大将になっちゃう――

業界はどんどんしぼんでいっちゃう――

そんなところを 肝に銘じたいのでした

2010年5月 5日 (水)

私の中のすべての目盛りを一段階あげてしまう歌や恋の力

今年の授業のひとつで

芸術と宗教

をテーマにして こりこりやっております

まさにこんな話をしていますね> 受講生の皆さん

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「ええと、 大島さん」 と青年はカウンターにある名前の表示を見ながら言った。 「あんたは音楽に詳しいんだね?」

 大島さんは微笑んだ。 「詳しいというほどではありませんが、 好きですし、 一人の時にはよく聴いています」

「じゃあひとつ訊きたいんだけどさ、 音楽には人を変えてしまう力ってのがあると思う? つまり、 あるときにある音楽を聴いて、 おかげで自分の中にある何かが、 がらっと大きく変わっちまう、 みたいな」

 大島さんはうなずいた。 「もちろん」 と彼は言った。 「そういうことはあります。 何かを経験し、 それによって僕らの中で何かが起こります。 化学作用のようなものですね。 そしてそのあと僕らは自分自身を点検し、 そこにあるすべての目盛りが一段階上にあがっていることを知ります。 自分の世界がひとまわり広がっていることに。 僕にもそういう経験はあります。 たまにしかありませんが、 たまにはあります。 恋と同じです」

 星野さんにはそんな大がかりな恋をした経験はなかったが、 とりあえずうなずいた。

「そういうのはきっと大事なことなんだろうね?」 と彼は言った。 「つまりこの俺たちの人生において」

「はい。 僕はそう考えています」 と大島さんは答えた。 「そういうものがまったくないとしたら、 僕らの人生はおそらく無味乾燥なものです。 ベルリオーズは言っています。 もしあなたが 『ハムレット』 を読まないまま人生を終えてしまうなら、 あなたは炭坑の奥で一生を送ったようなものだって」

「炭坑の奥で……」

「まあ、 19世紀的な極論ですが」

「コーヒーをありがとう」 と星野さんは言った。 「話せてよかったよ」

 大島さんはにっこりと感じよく微笑んだ。

村上春樹 『海辺のカフカ (下巻)』 (新潮社, 初版, 2002年) 266‐8頁: ルビは省略、傍点は太字で示した

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上の引用はハードカバー版より。 下は文庫版へのリンクです

村上春樹 『海辺のカフカ』 における世俗概念

ジョニー・ウォーカーかく語りき

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「私は猫たちの魂を集めて笛をつくった。 生きたまま切り裂かれたものたちの魂が集まってこの笛をつくっている。 切り裂かれた猫たちには気の毒だとは思わないでもないが、 私としちゃそうしないわけにはいかなかった。 こいつはね、 善とか悪とか、 情とか憎しみとか、 そういう世俗の規準を超えたところにある笛なんだ。 それをこしらえるのが長いあいだ私の転職だった。 私はその転職をそれなりにうまくこなし、 ひととおりの役目をまっとうした。 誰に恥じることもない人生だ。 妻をめとり、 子どもをつくり、 じゅうぶんな数の笛をこしらえた。 だからもうこれ以上笛はつくらない。 君と私とのあいだだけの、 ここだけの話だけどね、 私はここに集めた笛を使って、 もっと大きな笛をひとつこしらえようと思っているんだ。 もっと大きくて、 もっと強力な笛をね。 それだけでひとつのシステムになってしまような特大級の笛だ。 そして私はその笛をこしらえるための場所に今から行こうとしている。 その笛が果たして結果的に善となるか悪となるか、 そいつを決定するのは私じゃない。 もちろん君でもない。 私がいつどこの場所にいるかによって、 それは違ってくるわけだ。 そういう意味では私は偏見のない人間だ。 歴史や気象と同じで、 偏見というものがないんだよ。 偏見がないからこそ、 私はひとつのシステムになることができる」

村上春樹 『海辺のカフカ (下巻)』 (新潮社, 初版, 2002年) 364‐5頁

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上の引用はハードカバー版より。 下は文庫版へのリンクです

ファンタジー,メタファー,リアリティ

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 窓は開けられ、6月の風が白いレースのカーテンの裾を静かに揺らせている。 かすかに潮の匂いがする。 海岸の砂の感触を手の中に思い出す。 僕は机の前を離れ、 大島さんのところに行って、 その体を強く抱く。 大島さんのすらりとした身体は、 なにかひどく懐かしいものを思いださせる。 大島さんは僕の髪を静かに撫でる。

「世界はメタファーだ、 田村カフカくん」 と大島さんは僕の耳もとで言う。 「でもね、 僕にとっても君にとっても、 この図書館だけはなんのメタファーでもない。 この図書館はどこまで行っても――この図書館だ。 僕と君のあいだで、 それだけははっきりしておきたい」

「もちろん」 と僕は言う。

「とてもソリッドで、 個別的で、 とくべつな図書館だ。 ほかのどんなものにも代用はできない」

 僕はうなずく。

「さよなら、 田村カフカくん」 と大島さんは言う。

「さよなら、 大島さん」 と僕は言う。 「そのネクタイはとても素敵だよ」

 彼は僕から離れ、 僕の顔をまっすぐ見て微笑む。 「いつそれを言ってくれるか、 ずっと待っていたんだ」

村上春樹 『海辺のカフカ (下巻)』 (新潮社, 初版, 2002年) 424‐5頁: ルビは省略

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上の引用はハードカバー版より。 下は文庫版へのリンクです

お久しぶり

およそ1ヶ月ぶりの ブログ更新

アクセス数は ガクン!と落ちております(泣

が、 これはもちろん 仕方のないことですね

最近はもっぱら ツイッタでいろいろ囀っております

ご関心のある方、 どうぞそちらにおいでくださいませ

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