【講座】 現代宗教論
放送大学の 「面接授業」 のひとつとして
「現代宗教論」 などという大仰なタイトルの連続講義をさせていただいております
放送大学のサイト ⇒ http://syl-web1.code.ouj.ac.jp/ouj-f232/dt-8550.html
私がこれまで取り組んできた研究課題は 以下の3つ
- 宗教と政治、 もしくは近現代インドの政治とヒンドゥー教
- 宗教と世俗、 もしくは現代日本の宗教概念をめぐる言説空間
- 宗教と世俗のあいだ、 映画の宗教学
そこから 一般的な宗教論として引き出した結論を
私としてははじめて 横断的、総合的に論じてみよう、 という授業です
以下、内容の紹介をば
====================
専門科目:人間と文化 | 現代宗教論
【授業内容】
長足の進歩をやめない科学技術と、 政治経済・文化のグローバル化により、 私たちの日常は激変しています。 そうした情況下、 宗教についての既存の理解や意味づけもまた問いなおされています。
たとえば、 公的領域 (政治、 法律、 経済、 教育など) であらたに重要性をもつようになった宗教があります。 また、 あらたな宗教団体の発生と展開の脇では、 スピリチュアリティ (霊性) と呼ばれる領域が爆発的に拡大しています。
これらの現象は、 実は、 ただ単に新奇であるというより、 現在進行中の世界的な支配構造の変化に対応するものです。 そのため、 私たちがこれまでもってきた宗教についての理解や価値づけが、 おそらくは一般に想像される以上の深さから、 変更を余儀なくされています。
本講義は、 そうした変化をとらえるため、 概念のレベルから考察を説きおこし、 各種事例を位置づけるための包括的な宗教論の再構築を目ざします。
【授業テーマ】
- 第1回 日本語の「宗教」とは何を表すか
- 第2回 宗教/世俗の二分法、あるいは宗教概念の三分類
- 第3回 宗教と世俗のあいだ ―藝術と霊性―
- 第4回 宗教紛争における宗教 ―南アジアの事例から 問題の所在―
- 第5回 宗教紛争における宗教 ―南アジアの事例から イギリス植民地支配―
- 第6回 宗教紛争における宗教 ―南アジアの事例から 現代インドのセキュラリズム―
- 第7回 宗教と民族、あるいは信仰・宗教団体・宗教分類学
- 第8回 まとめ 現代宗教論の展開
【学生へのメッセージ】
宗教についての予備知識は不要です。 むしろ、 「宗教」 という問題について、 既成の理解を一旦脇において、 あらためて考えなおしてみたいとの意欲をもって受講していただいたいと願います。
====================
« JWU映画研究会 2011年10月第5週の予定 | トップページ | JWU映画研究会 2011年11月第1週の予定 »
「01A 宗教学」カテゴリの記事
- 20世紀における「反近代」の変容(2016.02.24)
- 島薗進 『ポストモダンの新宗教』 (2001)(2016.02.17)
- [ワークショップ] オタクにとって聖なるものとは何か(2016.02.27)
- ヒンドゥーの霊的原初主義(2015.12.17)
- 映画上映会 『マダム・マロリーと魔法のスパイス』(2015.11.11)
「00A お知らせ」カテゴリの記事
- 【シンポジウム】 「宗教」をものがたる - 宗教/文学研究のいま -(2016.07.29)
- 映画上映会 『マダム・マロリーと魔法のスパイス』(2015.11.11)
- 公開講座 「生きられる宗教 ―世界のなかの日本の宗教」(2015.11.09)
- 【公開講座】 インド現代史(2015.04.04)
- 【公開講座】 インドの今を知る(2014.10.16)
「01C 宗教と世俗のあいだ」カテゴリの記事
- 芸術宗教、もしくは世俗化した世界の宗教的感受性(2016.03.10)
- [ワークショップ] オタクにとって聖なるものとは何か(2016.02.27)
- ヒンドゥーの霊的原初主義(2015.12.17)
- 宗教者と無神論者の双方に関わる問題、あるいは信への転回(2015.06.01)
- 世間とは何か(2015.05.07)
「01B 宗教政治学」カテゴリの記事
- ヒンドゥーの霊的原初主義(2015.12.17)
- 儒学を入れるしかなかった近世神道、そして尊皇倒幕へ(2015.05.04)
- 近代経済人の宗教的根源(2015.04.23)
- 田中智学の八紘一宇(2015.03.20)
- 中華民族主義、もしくは漢民族復興主義(2015.02.26)
「01D 世俗の宗教学」カテゴリの記事
- 【シンポジウム】 「宗教」をものがたる - 宗教/文学研究のいま -(2016.07.29)
- 個人主義の理論 -ギデンス、トゥレーヌ、ベック(2016.03.14)
- 歴史的闘争、制度化、具体性(2016.03.11)
- 芸術宗教、もしくは世俗化した世界の宗教的感受性(2016.03.10)
- 20世紀における「反近代」の変容(2016.02.24)
「01E 宗教学の積極的解体」カテゴリの記事
- 宗教者と無神論者の双方に関わる問題、あるいは信への転回(2015.06.01)
- 世間とは何か(2015.05.07)
- 宗教学名著選 刊行開始(2014.11.14)
- 放送大学の受講生の皆さんへ ※ 面接授業「現代宗教論」(2011.12.21)
- 【講座】 現代宗教論(2011.10.26)
この記事へのコメントは終了しました。
« JWU映画研究会 2011年10月第5週の予定 | トップページ | JWU映画研究会 2011年11月第1週の予定 »
コメント