「宗教紛争は宗教が原因」 という端的に誤った観念
【追記 140221】
続報を書きました。 ちょっとだけ立ち入って論点を整理してみました
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「宗教紛争」 というコトバがある
英語でも religious conflict というぐらいだから まぁふつうの表現なんだろう
このコトバにこめられた観念は
ある紛争は宗教が原因である、あるいは少なくとも 宗教が主要特徴である
というものだろう
ボクの研究によれば、 この観念は 端 的 な 間 違 い なのだが…
なかなかそれを納得してもらえない
説得のためには ちゃんとした研究をねばり強く出しつづけるしかないんだろう
ということで…
「宗教紛争は宗教が原因だ」 という素朴な観念の、無邪気な表出の例をひとつ
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私はインターネットで見たニュースを思い出し、悲しくなった。アメリカでは中絶反対を唱えるキリスト教原理主義者グループが、中絶を行なっている病院を爆破し、八〇人の死者を出した。北アイルランドではプロテスタントとカトリックの反目が再燃し、過激派による爆弾テロや銃撃事件が続発していた。インドではイスラム教徒とヒンドゥー教徒の衝突が起きていた。イランでは、イラク・シーア派の過激派組織が、イラン・シーア派の現体制に対して大規模な武装闘争を展開していた……。
子供の頃、地下鉄サリン事件の報道を見て抱いた疑問が、また浮上してきた。宗教は人を幸せにするものではなかったのか? なぜそれがこんなに多くの不幸や争いの原因になってしまうのか?
山本弘 『神は沈黙せず』 上巻,角川文庫,152頁
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