今日は 東邦大学医療センター大森病院の 「倫理委員会」に出席してきました。私、その外部委員の一人なのです。
この委員に選ばれたのは、僕が 東邦大学医学部で 「宗教学」の非常勤講師をやっているからです。この授業では、「生命倫理と宗教」というテーマに3分の1をあてています。宗教学者としては、伝統医療や医療人類学をやることもできるのですが、まぁ 得意なところで、社会や政治の視覚から「医療と宗教」の問題を考える、ということです。
この授業については、またいつか書くことにします。今日は 倫理委員会について。
19件の審査申請が出ていました。数百ページの申請書と添付資料が10日ほど前に送られてきます。それら全部に あらかじめ書類に目を通すだけで、大変な労力が要ります。
委員会は2時間。19件を全て審査するなんて とてもできませんから、今日は9件だけが審議されました。
内容は、承認済み/未承認の薬の実験的投与、アンケート調査 などについてのものがほとんどです。
- 申請されている研究/実験そのものが倫理的な問題を生じていないか
これは もちろん最大のチェックポイントですが、それだけではありません。
- 患者さんへの説明は適切か
- プライヴァシーの保護措置はなされているか
- 副作用や不利益に対する説明や対処はできているか
- 書類上に研究者の倫理性の欠如があらわれていないか
こういった点も、ひとつひとつ 審議されていきます。
僕は 宗教学者、インド研究者ですから、その立場から それなりの発言をするよう求められているのかもしれませんが、なかなか そうもいきません。
人工肛門をつけた人のQOL調査について、現代の宗教理論やアーユルベーダの知識が なにを発言できるというのか、、、僕には どうも分からないからです。
そこで、二つの役割を自分に課しています。
- 自分を 「医療素人 = 患者」 の立場において、そこから発言すること
- ちゃんと資料を読んで、積極的に議論に参加する まじめな委員
第一の立場は、自分のかつての大病を思い出すことで そのようにふるまわれます (実際、僕の症例は、すくなくとも三つの学会で発表されたのでした)。 こうした患者の立場からの発想では、 同じく委員であられる看護士の方々と 意見がよく一致します。
この委員会、本当によい経験になっています。こういうことが 若いうちにできているというのは、幸せなことだと思います。
最近のコメント